ゆめにじ日和

熱しやすく冷めやすい私が、日常で気になる疑問や感想を徒然なるままに、書き綴る雑記帳

【映画レビュー】「メアリと魔女の花」を見た感想 

こんばんは。ゆめです。

今回は、先週末に「金曜ロードショウ」でやっていた気になる映画を見た感想を綴りたいと思います。

その映画の名前は… そう「メアリと魔女の花」です!

当時、映画館で見に行きたいと思っている間にあれよあれよと時が過ぎ…
そういう経験、皆様もありませんか?

ちなみに最近は、
「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ救急救命-」と「検察側の罪人」が密かに気になっています。
もし今後見に行くようでしたら、レビューしますね。

では早速、「メアリと魔女の花」の感想について行ってみましょう!
敢えて一言で感想を伝えるなれば「人の本質をよく描いている映画」だと思いました。 www.maryflower.jp

作品の概要

はじめは、ジブリの映画だと思っていましたが、違うようです。 原作は、イギリスの女優作家「メアリー・スチュアート」の児童文学「The Little Broomstick」。 こちらを訳すと、「小さな魔法のほうき」となり、可愛らしいタイトルとなっています。

日本では、1975年に『小さな魔法のほうき』としてあかね書房により翻訳出版され、2017年には映画化に合わせて『新訳 メアリと魔女の花』がKADOKAWAから刊行されました。

勿論劇中では、小さくて健気なほうきが、少女メアリを助けるべく大活躍しますよ! 7年に1度しか咲かない禁断の花『夜間飛行』を見つけてしまった、メアリの冒険物語です。

あらすじは?

ある森に、7年に1度しか咲かない特別な花がありました。
その神秘的な花の名前は『夜間飛行』
それはかつて、魔女の国から盗み出された、禁断の力を持つ「魔女の花」でした。

一夜限りの不思議な力を手にした、主人公のメアリ。
やがて、メアリは、雲海にそびえ立つ不思議な建物に到着します。
そこは、魔法の大学「エンドア」でした。

紆余曲折あり、入学することになってしまったメアリ。
メアリがついた、1つの嘘が、やがて大切な人を巻きこんで、思いもしない大事件に繋がります。

次第に明らかになる不思議な花の正体。
メアリは、魔女の国から逃げるために、全ての魔法を終わらせようとします。

しかし、そんな大事な局面で、メアリは全ての力を失ってしまいました。
メアリに残されたのは、1本のホウキと、小さな大切な約束。
魔法が渦巻く世界で、無力なメアリが、暗闇の先に見出した「希望」とは何だったのか?

監督は誰?

米林宏昌監督です。 ジブリ出身で、「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」で知られる米林監督の作品。

同じくジブリで一緒だった、プロデューサーの西村義明さんが創立した「スタジオポノック」による第1回長編作品。 ちなみに「ポノック」は、クロアチア語で「深夜0時」の意味なんですって。

2014年12月、ジブリを退社して以降、「あてもなく、喫茶店をめぐりながら脚本を練っていたところから」製作は始まったそう。 米林監督は『思い出のマーニー』とは真逆の、動くファンタジーを作りたいと思ったみたいです。

魅力的な登場人物 

*メアリ・スミス 【声 - 杉咲花さん】

この物語の主人公である11歳の少女です。好奇心旺盛で天真爛漫。
退屈なのは嫌いで、じっとしていられません。特徴は、赤毛、青い瞳、そばかす。
「シャーロット」が住む赤い館に引っ越して来ますが、何をしても失敗ばかりで、不満を抱えながら過ごす日々。ある日、森で『夜間飛行』を発見!不思議なエンドア大学へ迷い込んでしまい…

*ピーター 【声 - 神木隆之介さん】

メアリのご近所さんで、新聞配達をする12歳の少年。 メアリがついてしまった嘘によってエンドア大学の「マンブルチューク」に捕まってしまいます。 彼女と共にエンドア大学からの脱出を目指しますが…

赤い館村の住人
シャーロット 【声 - 大竹しのぶさん】

メアリと共に住む、赤い館の主人で、メアリの大叔母にあたる方。 危なっかしいメアリを優しく見守る保護者さん。 ミステリアスな雰囲気を纏っていますが、後半で彼女の正体も明らかに。

バンクス 【声 - 渡辺えりさん】

シャーロットのお願い事に応えてくれる、赤い館に勤める家政婦さん。 何かと頼りになる存在ですが、メアリの事を心配する余り、小言を呟いてしまいがち。

ゼベディ 【声 - 遠藤憲一さん】

赤い館に務める庭師さんで、お花も丁寧に手入れしています。 不思議な花『夜間飛行』の秘密をメアリに教えてくれます。

ティブ 【声 - 大谷育江さん】

赤い館村に住む、ピーターの飼い猫の1匹。黒猫ちゃんです。 ひょんなきっかけで、メアリと共に行動し、冒険に巻き込まれます。

ギブ 【声 - Lynnさん】

赤い館村に住むピーターの飼い猫の1匹。灰色の猫ちゃん。 黒猫のティブの恋人で、うらやましいほどラブラブです。

コンフューシャス

赤い館の主人、シャーロットが飼っている老犬。 ちなみに、名前の「コンフューシャス」は「孔子」という意味なんだとか。

エンドア大学の関係者
マダム・マンブルチューク 【声 - 天海祐希さん】

魔法のエンドア大学の校長。 ある野望があり、メアリが持つ魔法の花『夜間飛行』を追い求めています。

ドクター・デイ 【声 - 小日向文世さん】

エンドア大学の魔法科学者。 大学で変身魔法の研究をしており、マンブルチュークと共に目的を叶えるため、『夜間飛行』を探している。

フラナガン 【声 - 佐藤二朗さん】

エンドア大学にある、箒小屋を管理している番人さん。 ネズミのようなチャーミングな姿。 主人公のメアリやピーターがピンチの時に、助け舟を出してくれます。

感想レビュー【以下、ネタバレあり】

主人公メアリは、退屈な日々にうんざりしていて、刺激的な毎日に憧れている女の子。
お家の手伝いをしようと、周りに声をかけてみるも、失敗しがち。

そんな場面を見られた、近くに住む少年、ピーターにからかわれて、最初はよく思っていなかったメアリ。

ですが、ピーターの飼う黒猫に導かれて、不思議で綺麗な花「夜間飛行」を見つけてしまいます。
そこから、不思議な魔法の世界に誘われていきます。

魔法大学では、自分のコンプレックスだった赤毛は、羨望の対象。
校長のマンブルチュークにも、天才だと褒められ、いい気持ちで過ごしていたメアリ。

しかし、校長にメアリの仮初めの魔法の力を見初められ、大学への入学の手続きを急かされる中で、脅された言葉に保身を図るために、嘘をついてしまうメアリ。

そして、最悪の事態、つまりメアリは「夜間飛行」によって魔法の力を得たとバレてしまいます。

メアリの嘘によって、魔法大学の校長と科学者に捕まってしまう、ピーター。
メアリは、自分だけ無事に助かるか、危険を冒してでもピーターを助けにいくのか、究極の選択を迫られます。

強大な欲望を前に、不思議な力に我を忘れてしまうのか。
不思議な力を、リスクがあっても、大切な誰かを守るために使うのか。

現代で言うところの、ある日突然、大金を手にしてしまったら…の構図が思い浮かびました。

大事な人生の岐路で、どう選択して、生きていくのか。
人の弱さと強さが垣間見れる本作では、強いメッセージ性を感じ、考えさせらました。

一点注意点を挙げるとすると、演出上キメラ、いわゆる合成動物が出てくるシーンがあります。
鋼の錬金術師」という有名な漫画の一場面を思い出しました。
私は見ていて、ここの場面が一番心が痛かったです。

最終的には動物達もちゃんと救われるのですが、そういうシーンが出てくるのが苦手な方は、鑑賞するのを避けたほうがいいかもしれません。

最初は、メアリに自分を重ねて、正直その身勝手さにイライラするシーンもありました。
でも最終的には、大切な人たちのために、強く成長していくメアリを見て、私もこうでありたいなと思いました。

気になる方は、是非ご覧になって見てくださいね。

【おまけ】作品小話

魔女を扱った作品は、ジブリではすでに「魔女の宅急便」という不朽の名作がありますよね。
ですので、監督もジブリの退社がなければ、作れなかった作品だったのかもしれません。

おそらく、対比されるかもしれないという強大なプレッシャーもあったことと思います。

監督の西村さんも
ジブリが大好きでジブリに入った。自分達がジブリのすごさを一番良くわかっている。
ジブリが30年間でつくりあげたクオリティを、ゼロから再構築しなければならなかった。
お客さんに価値のあるアニメをと、1日1日もがいていたことが一番苦しかった。」とコメントを残されています。

製作発表時、宮崎駿さんをはじめ、高畑勲さん、鈴木敏夫さんというジブリのそうそうたる大御所から 「覚悟を持って挑め」と発破をかけられていたそう。

完成した映画を持って行った時、高畑さんと鈴木さんには、いい感想をもらえたようですが、宮崎駿さんには「俺は見ない」と見てもらえなかったそうです。
ですが、「よく頑張った!」とねぎらいのお言葉はもらえたそう。

監督の新境地であり、しっかりと覚悟を持って臨んだ作品。
豪華な声優陣も作品に華を添えていて、賛否両論あるようですが、重厚で中身のある作品でした。

まとめ

*魔法や魔女など、不思議な世界観が好き、
メアリのように退屈が嫌いで、ハラハラ・ドキドキするようなお話が好きな人にオススメ。

*自分のことばかりで、失敗も多かったお茶目な女の子が成長する物語。  

*ある日突然、不思議な力を手にした時に、どう使って変わっていくのか、人の本質を考えさせられる作品。